「標榜語!」……我々は、社に誓って三位一体、ひとつの宇宙であります……。
──……この町は怪奇の町。
町の鬼門に位置する足の神をまつる神社「鵺鳥神社」へ集う子供達、室町以前から伝わる「大紅姑娘の呪い」の噂、大人には読めない新聞「なんとか博」、「柱時計」に巣食う怨霊、野蛮特撮「さつりくかめん」……。



   

イラストコレクション
 
ドロテーちゃん  CV:君近さち


信川美鈴(しながわみすゞ)、十八歳、高校生。
子どもはみィんな知っているが、大人はだァれも彼女を知らない。
旭日印のマスク、旭日印の旗、そしてチャリンコに跨る姿が目撃されている。町の鬼門である鵺鳥神社を行動起点とする。彼女が書く町内新聞「なんとか博」は、子どもにしか読むことができない掲示物である。因みに、町のガキ大将的なところがある。
犬猫と同じように童貞が好きだ。
紙袋とは中学からの無二の親友であり、柱時計は幼馴染。
本まみれの自宅で猫を飼っている。竹槍・赤富士・旭・神風・日の丸の五匹。刃物屋の二階で独り暮らし。

(一)「そこの本はあまり崩さないで、ただでさえ、日の丸がやんちゃなんだから。はい、これが公民館に貼る新聞。こっちが駄菓子屋。それでこれが、小学校の裏。もう一枚は鵺鳥公園。ひとつだけ厚紙に貼ってあるのが、ラーメン屋のフェンス。憶えた? 憶えたらさっさと行って来なさい」

(二)「あんた、遅いのよ、いつまで待たせる気よ、このノロマ」

(三)「私、ヒトリでも大丈夫。アンマリ気にしないで、兄さん。大人になることを怖がっちゃいけない。大人になって初めて、子どもの頃を思い出すものよ。貴方の思い出に、私がいても、いなくても、恨んだりなんかしないわ」
 
 

紙袋ちゃん  CV:イヅカ


曾村天音(そねむらあまね)、十七歳、高校生。
外では紙袋を被っている女の子。売春をして暮らしているものの、本人は至って幸福。いつもけらけら笑っている。けれども空元気ということもなく根が明るい様子。幸福が故に、幸福なうちに死にたいという一種の死にたがり。
ドロテーちゃんとは中学からの友人で波長が合う。いつも一緒にいて、親友のような立ち位置。
投石や直接的な悪戯をよくする。

(一)「今日はお客さんと約束があるから、それまでの時間だったら遊べるよ! あたし、ドロテーちゃんと遊んでると、時間忘れて、約束すっぽかしちゃうことがあるの。でも、友情ッて大事よね! きっとそう! だって雑誌で読んだもの、友達を大事しなさいッて! ……ね、ズットいっしょにいようね、もっと大事な約束!」

(二)「真っ当、真っ当、大いに結構、うふふ、アハハ、時計にレースでもつけてあげたらもっと可愛い!」

(三)「うふ、そうなの、また駄目だった! どうしてあたし上手に死ねないのかしら! ね、こっち来てよ、一緒に空を見ようよ。あたしお星様大好きなの、あんたとおんなじ、アハハ」
 
 
 
 
柱時計君  CV:遠野智也


篠辺(しのべ)、十八歳、高校生。
母の形見である柱時計を背負っている男の子。しかし母が死んだとは思っておらず、母から手紙が来るのだと言う。
因みに精神美しき童貞である。
ドロテーちゃんとは幼馴染で、いつも意地悪されており、でも嫌いになれない複雑なお年頃。
いつも柱時計を背負いまわしている為に、町内やご近所でもスッカリ有名になってしまった。中年女性からよくものを貰うので、仏壇は充実しているとか。

スピンオフ:柱時計を賣りにゆく

(一)
(二)
(三)
 
 

豆腐屋  CV:横割れスプーン


栄田寅吉=エドガー(さかえだとらきち)、十八歳、高校生。
豆腐屋に居候する青少年。フランス人の父親が病死した後、日本へ帰国した母親を強盗に殺され孤児になる。豆腐屋の主人と、おかみさんと、坊ちゃんと、四人で暮らしている。
本人は覚えていないが、別人格が存在し、フランス人貴族の高飛車な少女(ルネ)の口調・仕草になる場合がある。ゲリラ的なもので、嘗て自宅にかけてあったフランス宮殿の寫眞に起因する。紙袋曰く「お姫さま病」。
豆腐屋栄田の主人により学校へ通わせてもらっており、そのお礼に店の仕事をてきぱきこなす好青年。軍人に憧れており、軍服姿である。
ホラー・オカルトは苦手な様子。

(一)「ボクは、旦那さまやおかみさんに、とても感謝してるよ。彼らが引き取ってくれなきゃ、今頃どうなってたか、判らないしな。学校も行かせてくれて、母さんの形見も置かせてくれてさ。いつか立派になって恩返ししなきゃって、いつも思ってるんだ」

(二)「部屋に転がってる口紅を見たとき、ボクは、この子がどんな子なのか、少しだけ気になって……でも知るべきじゃないと思った。……ボクはやめておくよ、怖いのもあるけどね」

(三)「あたくしはフランスでは名の知れた貴族の娘なのよ。こんなチッポケな島国にいるから、ヘンな女になるのヨ、あいつら。貴方もそう思って?」
 
 
 
 
お絹  CV:雨宮梅子


犬伏絹夜(いぬぶせきぬよ)、十七歳、高校生。
政治家の娘。大きな屋敷に住む少女。
大和撫子のような出で立ちで頭がよく、親からも将来を期待される。しかし嘗て反発心から不良の集う映画館へ出入りを繰り返し、腿に根性焼きの痕が残ったこともあり、監視の目は並々ならず厳しい。
お菊や次郎の散らかした後を片附けるのも彼女である。密かに寅吉に対して好意を持つが、密かに物陰から眺めるのみ。
門限があるため、鵺鳥神社の会合にはあまり姿を見せない。

(一)「私だッていつまでも猫かぶりじゃなかったわ。でも、キット、お菊のように我が儘放題をしたいわけじゃなくって、ちょっとした反抗心だったのよ。学校では、映画館は禁止されていたの。それに、煙草やお酒も……。だから余計に惹かれたのかな。汚らしい痕が残ってしまって、私、お嫁に行けないかも知れませんわね」

(二)「ねエ、私って惚れッぽいんだッて、お母さまにいつも言われるの。そうなのか知ら? お菊も、そう思う?」

(三)「まあ、ドウして、ですって? 貴方にはキット、何言ったって判らないわ。ですから気になさらないで」
 
 

お菊  CV:日野愛音


犬伏菊絵(いぬぶせきくえ)、十七歳。
お絹の双子の妹。お絹より些か奔放。
拾ってきた次郎に縄を掛けて、連れ回してあっちこっちを歩きまわっている。飼い犬よりも杜撰に扱う。
両親も手がつけられないお転婆で、高校は中退した。
夜の散歩は日課、次郎を引き摺り回して行う。次郎がデイゴに構うのを良く思っておらず、素直には言わないが彼に対する想いは切実なもの。
お絹とは違って門限等もなく、放られている。

(一)「このバカ犬! 噛むなと言ってるでしょう! まったく、あたしのしつけが悪いのか知ら? 次は容赦しないんだから。覚えておきなさい」

(二)「ネ、あんた、あたしと結婚しない? そうしましょうよ、だッて、あんた、そうでもしないと逃げてッちゃうのよ。いつもそうだわ。あたしが傍に居て欲しいときはいつもいないのよ。それとも、あたしの気持ちなんて、考えたくもない?」

(三)「ねエ、またデイゴさまの処へ行ったでしょう。……痛いわ、歯を立てないで。あんたは利口なんだから、ネ」
 
 
 
 
次郎(じろう)  CV:尭天景文


二十四歳。無職。
犬伏の屋敷で養われているらしいヒモ男。お菊には虐待や辱めの限りを尽くされているものの、嫌だと思ったことは無く、目立った抵抗もない。
ルンペン同様に転がっていたのを拾われ現在に至る。
遊園地等、子どもっぽいものが好きで、どこかシニカルなお菊とは真逆。
成人した大人たちの中で唯一ドロテーちゃんを認識しており、どうやら中身はいつまでェも子どものままのようだ。
以前はデイゴに拾われていたらしく、お菊のもとに居る今でも、デイゴに対してカナリの執着を見せ、気を引こうと必死。その一方でお菊に対する愛情も深く、慕っており、結局どちらとも性交渉がある模様。

(一)「忠吉が、おれは大悪人なんだッて、そう言ってた。親ア殺す奴は、極楽には行けない……そんなこと、言ってたなア。でもおれは極楽より行きたいところがある。なア、おれ遊園地行きたい。お嬢は汽車に乗れねエんだ、おれだけじゃ、無理だなあ。おれみたいなルンペンは、入れてもらえないよ」

(二)「あいつは、おれのやる飯は食わんのです。堪忍してお嬢」

(三)「お嬢、おれ、昨日千藤に言われたんだ。その、エット、美鈴に妙な奴を寄せ付けるな、ッて。それで、おれ、失敗したらもう会ってやんないッて、言われたから、それで……」
 
 

デイゴ  CV:情緒不安定


十九歳。祈祷師。
古くから伝わる元王朝の巫女「大紅姑娘」の血筋である町の霊能者「デイゴ」を襲名している少年。襲名前の名前は千藤(ちふじ)。先代に比べその信仰は落ち着きつつあるが、町にとっての大きな権威である。安産祈願等の祈祷を始めとし、町の寄り合い・盆行事・新年行事では中心に立つ。
女装して夜の町を歩いたり、男を引っ掛けたりとプライベートは奔放。
次郎をどう思っているかは定かではないけれども、突き放すバカリではなくたまにじゃれてやる位の気持ちはある。
甘いものが好き。

(一)「お前、いい匂いがするね、ちゃんと世話して貰ってんだね。……なんとか言いなさいッて。ネ、次郎、キスしよっか。嬉しい?」

(二)「アハハハ、失敬失敬。イヤ、悪いものかどうかは僕もまだ判らないんだ。人間と同じことだよ」

(三)「明日、誕生日だろう? 僕、明日は御祈祷で一日忙しいからサ、会えないかもしれないし、先に贈り物をやろうと思って。新しい茶碗が欲しいッて、前に言ってたじゃないか」
 
 
 
 
さつりくかめん  CV:馬場天


相良忠吉(さがらちゅうきち)、十八歳。俳優。
巷で子どもに大人気のバイオレンスな特撮番組「さつりくかめん」の主演俳優である、らしい。しかしその気質はさつりくかめんそのものであり、自己愛的・攻撃的な処が目立つ。
神出鬼没のへんなやつ。
「お前ら全員、八つ裂きだ!」が番組内での決め台詞。子どもはみんな真似している。

(一)「見たことある、だッて? フン、そうさ! 俺はな、お前らバカな日本人の日常に浸透する、絶対的暴力さ! 酒のように、煙草のように、覚醒剤のように、ハルシオンのように、恋のように、お前達の人生を浸食してやるんだ!」

(二)「俺様は金に糸目なんて附けねエ、それがポリシーなのさ。ドウだいお前、俺と結婚しないか。花のような美人こそ、俺の伴侶に相応しいだろ?」

(三)「愚問だな! 俺様は寝たいときに寝る。殴りたいときに殴る。食いたいときには食うし、歌いたいときに歌う。この町の誰にも、俺が何処からやってきて、何処へ帰るのか、決められやしない。たとえ、カチンコの音が聴こえてもな」




制作(敬称略)

    
 企画:ドロテー・サリバン
(本編は此方)
   キャラデザイン:柊羊
 ロゴ:RNN    キャラアイコン:十夜
 
 ドロテーちゃん:君近さち    紙袋ちゃん:イヅカ
 柱時計君:遠野智也    豆腐屋:横割れスプーン
 お絹:雨宮梅子    お菊:日野愛音
 次郎:尭天景文    デイゴ:情緒不安定
 さつりくかめん:馬場天