繰生町探訪録(古書店二階、一階裏編)




「……よし、児島の足止めは完璧だな」

「そうだね、外で陽香ちゃんが話してくれてるからね」

「あいつ、二階上がらせろッて言うと汚いから!汚いから絶対入るなよ!ってうるさいからな……」

「古書店の二階が汚いのは今に始まったことじゃないけどね。こないだその攻防してるとき、京太郎君が高天君にパ/ピコ投げつけたのは結構笑ったよ」

「攻撃とパ/ピコ半分いる?を一括で済ませる荒技だったな」

「相変わらずギシギシいう階段だなあ。急だし。高天君、転ばないようにね」

「判ってるよ、うるさいな。うわッ、前見た時の三倍はモノが増えてないか?」



「これ、京太郎君寝るとこあるの?」

「私なら五分と居られないなこれは。それにしても階段の急さは、上から見たら酷いもんだ」



「この階段だっけ?京太郎君が、夜中におばけいた!って言ってたの」

「その話はやめろ、寝れなくなる」

誰もいないのに!誰もいないのに夜中ギシギシいうんだよ!上って来てるんだよ!アレ絶対おばけだよ!ってこないだ力説してたよね。おばけなのに足あるの?って思ったけど」

「やめてください!」







「色々書いては貼ってるけど、これって、使うのかな」

「此処の店主はため込み屋だからな。これほどためるのなら俺が物置として使ってもバレなさそうだな、どれどれ」



「これでよし、と。ちょうど外した看板の置き場所に困ってたんだ」

「いいのかなあ……絶対バレると思うけどな……」



「この水道とかどうやって使ってんだよ、洗い場が既に物置じゃねーか。平気の平左のものぐさ太郎ってとこだな」

「あはは、ほら、バレる前にさっさと帰ろうよ」

「それもそうだな。うっ、またこの階段か……」

「あっ、高天君の後ろにおばけが!」

「(脱兎)」

「……高天君って、怖いの苦手なんだなあ」

「お前、要らんこと言いやがって!」

「君が単純なだけさ。ついでに一階の奥も見て行こうか」

「ああ……」





「安定の汚さだな……うっ死ぬ……」

「高天君、廃劇場では全然平気なのにね。居住スペースとはやっぱり気の持ちようが違うのかな」

「つまりそういうことだ。児島に裏片付けろって言っても叔父さんがしてるんだからあんまり動かしたくないとか言って放置プレイするからな……」

「店主さんは勝手に動かしたら怒るタイプの人なのかもね」

「よォしズラかるぞー。ジュース一本パチッて帰ろ」

(清々しいほどに泥棒だ……)